生まれた場所・年齢に関わらず、誰でも夢に向かって挑戦できる社会に。貧困地域の現状を見て、無力さを感じた大学一年の春2019年4月、広島大学教育学部に入学。国際協力の仕事に就きたいと考えていた私は実際に貧困地域を自分の目で見たいと思っていました。大学一年生の春に機会に恵まれ、フィリピンの孤児院でのインターンシップに1ヶ月間参加しました。現地の大学生がインターンシップ先との調整役を担っていたので、現地の学生との交流も深まりました。インターンシップ先の孤児院では、路上で暮らしていた子どもたちが保護され、生活していました。多くの子どもたちがメンタルヘルスに問題を抱え、学校に行くことができていませんでした。学校に行くことができない子どもたちに、普段は経験できないような異文化に触れる経験をしてもらいたいと思い、日本語や日本の文化、日本の遊びを教える活動をしました。また、休日には実際に貧困地域に足を運んでみました。頭では分かっていましたが、実際に見てみるのはまた違います。自分の心が動いた瞬間でした。路上で寝ている男の子。すぐそばには大きいショッピングモールがあります。するとその横を裕福そうなおばちゃん3人組が通り過ぎていきました。3人は男の子には無関心で、それを当たり前かのように通り過ぎていきました。おばちゃんたちの行動にはショックを受けましたが、何もできない自分にも無力さを感じました。同時に、「日本でのホームレスの人たちに自分は何かできていたか?」と反省しました。「本当に世界を良くしたいなら力が必要だ」個人での国際協力をしていきたいと考えていた私は、本当に救いたい人を救うためにはもっと力が必要だと思いました。力とは一人生み出すことはできない力です。仲間や人と人とのつながり、資金が必要だと感じました。その力を持って、インフラを整えることで、子どもたちが夢に向かって挑戦できる機会をつくりたいと思いました。学生団体を立ち上げ 、ボランティアの難しさを痛感帰国後、「途上国に学校を作りたい」と仲間を集めて学生団体を立ち上げました。インフラ規模の投資を行う資金集めの手段として、YouTube発信を行いました。当時はなんとかしてお金を集めたいと必死で、全く稼げないのにも関わらず全力でYouTube発信をしました。YouTube発信だけでなく、学生向けに貧困地域について考えるワークショップを開催しました。しかし思うように結果が出ることなく、4ヶ月ほど経過した後に、それぞれのサークル活動やアルバイトに専念したいとのことでチームは解散することになりました。しかし目標に向かって一緒に挑戦できたことに感謝しています。この活動を経て、社会にインパクトを起こすためには仲間だけでなくお金も重要だと学びました。NPOやボランティアで寄付金に頼る活動では、寄付金額に依存してしまいます。もちろん、社会の中の役割としてNPOやボランティアの重要性は理解しているつもりですし、私もNPOで活動してきた経験がありますが、「インフラ規模の投資をしていく」というビジョンとの乖離を感じていました。「起業家」が自分の理想の生き方だと実感ちょうどその頃、孫正義さん、ビルゲイツさん、藤田晋さんなどの起業家の本を読みました。彼らは世の中に新しい価値を生み出すだけでなく、困っている人たちの支援も積極的に行なっていました。東日本大震災後の復旧支援、アフリカの水質汚染問題、さまざまな問題に対して解決していくための投資を行っていました。その姿から自分の理想の生き方だと感じ、起業を志しました。「事業を通じて世の中に価値を提供し、利益を社会に還元する。」2022年10月に会社を設立しました。最初に挑戦した事業は、食堂の作り置きによる食品ロスを削減するためのテイクアウトアプリの開発・運営です。コロナの生活で食費が苦しい大学生がいるのに対し、作り置きの仕組みでどうしても閉店後に食品ロスが発生してしまう大学食堂さんの悩みを解決できないかと考えたのがきっかけです。私自身プログラミングスキルはなかったのですが、仕組み上どうしても大学食堂と大学生をマッチングさせるアプリケーションを作りたくて、方法を考えました。そこでノーコードでアプリケーションが作れる「Bubble」というツールに出会いました。プログラミングができなくても、アイデアを形にできることに大変ワクワクしたのを覚えています。実際に、大学食堂と大学生をマッチングするアプリは、2022年5月ごろから、2023年2月まで運用し、食品ロスを80%削減することができました。ノーコードを経て、たどり着いた"AI"という新しい可能性この事業をきっかけに、ノーコードツールの可能性に魅了されました。プログラミングの知識がなくても、アプリやWebサイトをつくれる。これまでエンジニアがいないと不可能だったことを、誰もが実現できる。「技術の力で、人の可能性を広げる」という体験は、今の私たちの原点になっています。そして近年、生成AIの登場によって、その可能性はさらに大きく広がりました。かつては専門家にしかできなかった「考える」「書く」「整理する」「伝える」という業務を、誰もがAIを通じて実行できる時代になったのです。例えば、新しい企画を立ち上げる際、ChatGPTに相談しながら数時間でアイデアを形にできます。日報や議事録の作成は、AIを活用することで大幅に時間を短縮できます。これまで「時間がない」「人が足りない」という理由で諦めていた挑戦が、AIを使えば現実のものになります。これまで多くの時間とお金をかけていた業務を半分にできるとしたら、今の人手不足に対応できるだけでなく、その時間と資源を会社の価値を高めること、新しい事業を生み出すことに使えるはずです。新興企業はもちろん、すでに資産を持つ中小企業ほど、AIを活用することで可能性を大きく広げることができると、私たちは確信しています。今の事業にかける思い「事業を通じて世の中に価値を提供し、利益を社会に還元する。」これが会社の存在理由だと考えています。私たちが取り組みたいことは、社会を支える企業が可能性を最大限発揮するためのサポートをすることです。私たちが伴走させていただいた企業の利益が社会に還元されることで、社会を良くしていく同志が一人、また一人と増えていく。そう信じています。これまで出会った経営者や現場の皆さんは、本当に素敵な志と事業をお持ちで、「私たちにできることなんてあるのだろうか」と悲観的になる時期もありました。しかし、最初にご一緒した大学食堂の方々や支えてくださる方に、「私たちにしかできないこと、私たちだからこそできることもある」と気づかせていただき、現在のサービスを行うことを決めました。AIを通じて、企業と人の可能性を最大化する私たちは、生成AIを「使えること」自体をゴールとせず、その先にある「自己実現」へと人を導くことを大切にしています。具体的には、法人・自治体向けの生成AI活用研修・コンサルティングを提供しています。ツールの使い方を伝えるだけでなく、現場の業務にAIをどう組み込むか、どう判断し、どう活用し続けるか。会社の課題を明らかにし、それを解決するための適切な手段を選び、実装から運用定着までをトータルでサポートしています。また、実践型の生成AI学習サービス「ミーネクスト」を通じて、現場で働く一人ひとりが、自分の業務にAIを使いこなせる状態を目指しています。ノーコードからAIへ。手段は変わっても、私たちが向き合うテーマは変わりません。「ITの力で、人と企業の可能性を広げる」こと。その一点に、これからも誠実に取り組んでいきます。皆様から学ばせていただきながら、社会を良くするという同じ志のもと、ご一緒できれば幸いです。《プロフィール》久保直樹 | NAOKI KUBO株式会社WEAVE 代表取締役 CEO2018年 3月佐賀県立佐賀西高等学校 卒業2018年一年間浪人生活。2019年教育学部に入学し、青年海外協力隊を目指す。2020年フィリピンの孤児院で1ヶ月働くも、自分の無力さを痛感。 「本当に救いたい人たちを救うためには、自分に持続可能な力(財力、権力、求心力等)が必要だ」と実感し、起業を決意。学生団体設立やYouTube発信を行うも半年で挫折。2021年所属するNPOでリーダーとなり鬱を経験。リーダーとしてのあり方と、組織経営を学ぶ。2022年大学4年時に株式会社WEAVEを設立。売れ残った料理のテイクアウトアプリを開発・運営。2023年システム開発事業、ノーコード講座(Bubble,STUDIO)事業を行う。5年で5大陸に支社を持ち、グローバルカンパニーを目指す。